隠れた現代病である「副腎疲労」。
「副腎疲労」とはいったいなんなのでしょうか。
かつて私はこんな症状に悩んでいました。
「なんとなく毎日つかれてるけど、病名がない・・・」
「頭にモヤがかかっているようで集中できない・・・」
まさにそんな症状こそが「副腎疲労」なのでした。
誰も知らない「副腎疲労」
「副腎疲労」という言葉を、ほとんどの医師は知りません。まだ正式な病名として認められていないからです。ただし、正式な病名として認められていないとしても、「副腎疲労」の症状が私たちを悩ませていることには変わりがありません。
医療機関で的確な対応をしてもらえないのであれば、自ら対応するほかありません。「副腎疲労」はその存在を認識してあげることこそが、解決のための最初のステップです。
程度の差こそあれ全人口の80%もの人が、この「副腎疲労」の影響を受けていると言われていますので、もはや私たちにとって「副腎疲労」は特殊な状態ではありません。
にもかかわらず、日常生活で「副腎疲労」という言葉を、私たちは何人から聞いたことがあるでしょうか。
副腎疲労を世に知らしめる活動を行っているジェームズ・ウィルソン(Adrenal Fatigue: The 21st Century Stress Syndromeの著者)は、「日常生活で感じる慢性的なストレスは、私たちを肉体的、そして精神的なダメージから回復するのを妨げている」と警告しています。
医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!
ジェームズ・L. ウィルソン 中央アート出版社 2011-05-06
・体の痛み
・集中力の欠如
・焦り(思考が止まらない)
・気分の落ち込みとイライラの波
・常に感じる疲れ(エネルギーレベルが低い)
・何気ない毎日に圧倒される感覚
・ホルモンバランスの欠如
・甘いもの、塩辛いものが欲しくてたまらない
こういった症状は、日本ではしばしば医師から軽視されていますが、アメリカでは徐々に、これらの症状が当てはまる場合に「副腎疲労」と診断することが増えてきています。
「副腎疲労」から回復しよう
アメリカにおいては、「副腎疲労」は適切のステップを踏むことで、自身での治療が可能との見方をなされています。その手順とは、正しい食事、サプリメントの摂取、そしてストレスの軽減の3つとなりますが、回復のステップを正しく理解するために「副腎」について少しだけご説明しておきます。
(少し専門的なので、直接「副腎疲労」回復のステップへスキップしていただいても構いません)
ホルモン分泌に必須な臓器「副腎」
「副腎」は肝臓の上方に位置する親指2つ分ほどの臓器。内分泌系の臓器に分類され、50種類以上のホルモンの生成に関与。生成されたホルモンは、人体を正常に機能させるために不可欠なものです。
「副腎」は視床下部(ししょうかぶ)、脳下垂体(のうかすいたい)と密接に連携をとって「HPA軸」を形成し、ホルモンのバランスを取ります。
ストレス反応にも大きな役割を持っています。肉体的・精神的に関わらず脅威を感じた際には、副腎髄質(ふくじんずいしつ)がアドレナリンホルモンを分泌。血液を脳や心臓、筋肉に送り込み、闘争・逃走反応(決死の覚悟で戦うのか逃げるのかを判断する動物的な反応)を助けます。
その後、副腎皮質(ふくじんひしつ)からコルチコステロイドを放出し、消化や免疫系の働きなど、目前に迫った生死に直接関係のない体内機能を抑制するのです。
「副腎」がバランスを取っている特に重要なホルモンたちの例はこちら。
・グルココルチコイド – 血糖値をコントロールしているホルモン。新陳代謝を促し、ストレスに対抗、また免疫機能を管理する役割もある。代表例はコルチゾール。
・ミネラロコルチコイド – 血圧をコントロールしているホルモン。血液中の塩分と水をバランスさせている。代表例はアルドステロン。
・性ホルモン – エストロゲンとテストステロン。
・アドレナリン – 心臓の健康を保つホルモン。体のすみずみまで血液が行きわたっているかを監視するほか、肝臓でグリコーゲンをグルコースに変換する。
「副腎疲労」の原因を探る
でもいったい「副腎疲労」とは、なんなのでしょう。
「副腎疲労」とは、日々のとてつもないストレスに、カラダと副腎がついていけない状態と言えます。強い、または長期にわたるストレスによって「副腎」がオーバーヒートしてしまい、十分な機能を発揮できなくなっているのです。
「副腎疲労」を引き起こすストレスの例。
・ストレスのかかる経験(家族を亡くす、離婚、手術)
・環境汚染(意識してない人が非常に多いです)
・金銭的に余裕がない、職場環境が悪いなど、改善が見込めない状況が続いた場合
・睡眠不足
・食事の偏りと運動不足
こういったストレスの種は、一つ一つ取り除いていく必要があります。
「副腎疲労」の症状を知る
「副腎疲労」はホルモン分泌・バランスに問題を引き起こします。ご存知のように、ホルモンは私たちの体内で基礎的かつ重要な役割を果たすもの。ということは、「副腎」が正常に機能しないことによる症状は多岐にわたります。
・疲れ、特に朝(起きることができない)
・性欲がなくなる
・気分が落ち込む
・筋肉が減る、筋肉痛がする
・集中できない、考えがまとまらない
・アレルギー症状が以前よりひどくなる
・寝付けない
・イライラする
・甘いものが欲しくてたまらない
・髪が抜ける
・体重増加
・緊張状態からくる肩こり
がんばりたいのにがんばれないのは本当に辛いです。
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