現代は飽食の時代と呼ばれ、日本では一般的に栄養不足で困るようなことはなくなってきました。
日本人の食生活に関するデータを見ると分かってくることがありました。
「食の断捨離」はじめよう 結果を出すなら「何を食べるか」ではなく「何を食べないか」
平成26年に行われた国民健康・栄養調査によれば、エネルギー過剰摂取の目安となる肥満率は男性で30%、女性で20%と、高い割合を維持したまま推移しています。
充分すぎる食事(エネルギー)が摂れているということですね。
出典:厚生労働省 平成 26 年 国民健康・栄養調査結果の概要
また同じ調査のなかで、”もっとも高価なエネルギー源”であるたんぱく質の比率は、世帯所得200万円以下のみが有意に低い結果となりました。
たんぱく質エネルギー比率は、男女とも世帯の所得が 600 万円以上の世帯員に比較して、200 万円未満の世帯員で有意に低かった。
この結果が示すのは、世帯所得が200万円以上の世帯では、肉・魚などのたんぱく源はもはや高価な食材ではない、と予想できることです。
さらに、世帯所得が600万円以下の世帯においては野菜類と肉類の摂取量が少ないことも分かりました。
野菜類及び肉類摂取量は、男女とも世帯の所得が 600 万円以上の世帯員に比較して、200万円未満と 200~600 万円未満の世帯員で有意に少なかった。
栄養に関する知識が多い、もしくは食生活に関する正しいアドバイスを受けやすいと思われる「世帯所得600万円以上の世帯」と「それ以外」では、口にするものが異なってきているということですね。
古い食生活の考え方
従来の栄養に対する指導・解説で典型的なのは、
「もっと○○を食べましょう」
「○○が足りていません」
などといった言葉です。
テレビを見ていると気付くと思います。例えば、
「ベータカロチン(ビタミンA)はという栄養素は大事なので、ベータカロチンがたくさん含まれているニンジンを毎日食べましょう」
っていう解説。
次の日は「鉄分」、その次の日は「DHA」という具合に延々とやってます。
でもそんな食事に関する解説を総合して考えると、
「栄養素はどれも大切だから、全ての食材をいっぱい食べましょう」
ってことになる。でもそんなの無理ですから。
新しい食生活の考え方は、何を食べないか、です。
いわば食の断捨離です。
「○○は意識して摂らなくていいですよ」
といった考え方が大事なんです。
何を食べなくていいのか
アスリートの例
究極のパフォーマンスを追い求めるアスリートやボディビルダーの食生活はとても参考になります。
「プロテイン」という栄養補助食品がありますよね。ご存知の通り、たんぱく質を効果的に摂取するためのものです。
でも彼・彼女らは時として、たんぱく質を摂るためではなく、余計なものを摂らないためにプロテインを使っているんです。
どういうことかと言うと、たんぱく源である肉や魚には、たんぱく質のほかにも多くの栄養素が含まれています。例えば脂肪などですね。
まったく不要と勘違いされがちですが、脂肪もある程度までは人間にとって必要不可欠な栄養素です。しかしアスリートやボディビルダーが必要とする膨大なたんぱく質を得るためには、膨大な量の肉・魚が必要となります。そのとき同時に余分な脂肪も取ってしまう。
そうならないために、純粋にたんぱく質のみを摂れるプロテインを使っているわけです。プロテインが基本にあって、その他の足りない栄養素を食事でコントロールするという逆転の発想。
じゃあ私たちは
では普通の生活を送っている私たちは、何を食べなくていいのでしょうか。
今回「食の断捨離」コンセプトは理解いただけたことを祈りまして、また次の機会に何を食べなくていいのかを考えることといたしましょう・・・
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